▼近代文学試論▼

第59号 (2021年12月25日発行)

王 憶氷
森鷗外の初期批評と清代志怪小説集 : 『聊斎志異』を中心に 1
母 丹
「セロ弾きのゴーシュ」の最初の中国語訳 : 『小木偶拉大提琴』について 13
阮 文雅
林芙美子「ボルネオ ダイヤ」論 : 二項対立図式の明暗 25
髙橋 日向子
太宰治の〈戦後〉と「ナンセンス」の再構築 : チャップリンを補助線にして 37
尾西 康充
野間宏『地の翼』論 : 一九五〇年代の政治と文学 47
倪 楽飛
遠藤周作『スキャンダル』における勝呂の人物像 : 運命・実存・救いの所在 57
有元 伸子
アダプトされるキャラクター : 三島由紀夫以降の演劇「黒蜥蜴」 69
大西 永昭
ドラクエする高橋源一郎 : 高橋文学の「ゲーム文学」性 81
萬田 慶太
作家同盟岡山支部の活動とサークル誌『鋲』『中国文芸』 : 出版ネットワークと地方性 93
山根 由美恵
村上春樹文学アダプテーション研究序説 105

第58号 (2020年12月25日発行)

張 備
戦時下の上海における田村俊子の声 : 雑誌『女声』の「信箱」をめぐって 1
母 丹
「注文の多い料理店」の最初の中国語訳者 : 知識人・陳緑妮について 17
尾西 康充
野間宏と梯明秀 : 虚無の自覚と「崩壊感覚」 29
柳瀬 善治
三島由紀夫『美しい星』再考 : 大島渚・吉田大八との比較を中心に 41
山根 由美恵
ナツメグ・シナモンの語りの可能性 : 「ねじまき鳥クロニクル」における「二次トラウマ化」「世代横断的トラウマ」 57

第57号 (2019年12月25日発行)

佐藤 魁人
谷崎潤一郎「小さな王国」論 : なぜ沼倉は「太閤秀吉」となり得たのか 1
尾西 康充
小林多喜二『工場細胞』と《フォードの虐殺》 : 二〇世紀ミドルクラスの形成と没落 13
奥村 尚大
安部公房『ひげの生えたパイプ』論 : 児童向け連続ラジオドラマにおける「英雄」と投書 21
余 盼盼
遠藤周作『死海のほとり』論 : 〈巡礼〉にみる宗教・国家・ジェンダー 35
高木 伸幸
「本覚坊遺文」論 : 千利休像と作家井上靖 47
山根 由美恵
「1Q84」における〈オウム〉脱構築の可能性 : 教祖像と〈家族〉の復権 59

第56号 (2018年12月25日発行)

阿部 翔太
村上春樹『ノルウェイの森』論 : 反復(リプリーズ)する物語と音楽 1
大西 永昭
未成熟のための技法 : 町田康「夫婦茶碗」試論 13
尾西 康充
《依存》と《隷属》の社会 : 目取真俊「虹の鳥」論 27
山根 由美恵
はじめに 35
内田 康
〈父なるもの〉の断絶と継承の狭間で : 村上春樹『騎士団長殺し』と、〈父殺し〉のその先 37
ダルミ・カタリン
村上春樹『騎士団長殺し』における「ヨーロッパ」 : 「マギッシャーレアリスムス」との関連性と「アンシュルス」のモチーフを中心に 53
山根 由美恵
村上春樹「騎士団長殺し」論 : 〈メタ・テクスト〉性と「震災後文学」 69
平野 芳信
村上春樹『騎士団長殺し』論―即身仏/ビーフジャーキー 85
跡上 史郎
かひがひしからぬ「諸君」 : 世界模型としての村上春樹『騎士団長殺し』 97

第55号 (2017年12月25日発行)

倪 楽飛
遠藤周作『死海のほとり』における「美しい世界」の意味 : フランクル『夜と霧』を手がかりに 1
遠藤 伸治
村上春樹 : その未完成性と反復性について 13
尾西 康充
目取真俊「群蝶の木」論 : 暴力の共犯者と家父長的権威 27
山根 由美恵
生き直される「サバイバー」の生 : 村上春樹「海辺のカフカ」論 39
徐 小雅
外部・他者・働く「私」 : 絲山秋子の初期小説を中心に 55
萬田 慶太
小林多喜二「蟹工船」ブームの諸相 : 二〇〇〇年代後半の読者受容をめぐって 67

第54号 (2016年12月25日発行)

大西 永昭
メタフィクション的感覚と映画体験 : 芥川龍之介「影」を題材としたメタフィクション試論 1
李 冬陽
井伏鱒二「復員者の噂」論 : 復員者夫婦の諸相に見る戦争への告発 15
山根 繁樹
日野啓三『地下へ』論 : 初期短篇における一人称の限界 27
尾西 康充
目取真俊「風音」論 : 沖縄戦の記憶をめぐって 39
ダルミ・カタリン
村上春樹「TVピープル」論 : 魔術的リアリズム作家が描くリアリティ 55
王 静
村上春樹による新たな理想主義 : 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』におけるユートピア共同体論 69

第53号 (2015年12月25日発行)

大西 永昭
芥川賞の中の芥川龍之介 1
尾西 康充
丹羽文雄『菩提樹』論 : 親鸞思想への回帰 15
板倉 大貴
花田清輝「泥棒論語」論 : 〈逆用〉の概念を中心に 25
出木 良輔
〈資料紹介〉『教育学術界』文学作品・文芸関連記事目録(明治三二~大正二年) 41

第52号 (2014年12月25日発行)

大西 永昭
停滞の構造 : 芥川龍之介における「停滞期」の分析と考察 1
尾西 康充
小林多喜二と雨宮庸蔵 : 「中央公論」掲載をめぐって 15
楊 琇媚
庄野潤三「愛撫」論 : 〈あたし〉の性的抑圧に着目して 27
山内 祥史
日野啓三 昭和二十九年の文業(下) 39
瀬崎 圭二
安部公房作「虫は死ね」を読む/視る 53
ダルミ・カタリン
村上春樹と魔術的リアリズム : 「踊る小人」に見る一九八〇年代 67

第51号 (2013年12月25日発行)

塩屋 知里
『少女世界』の少女表象 : 主筆沼田笠峰の小説分析から 1
王 梅
病の身体、意識の身体 : 田山花袋「一兵卒」論 15
塚本 章子
馬場孤蝶・与謝野寛の衆議院選挙立候補と雑誌『第三帝国』 : 思想・言論の自由を求める共闘 27
安原 杏佳音
太宰治「走れメロス」論 : 反美談としての読解の試み 41
荒木 裕子
戦後初期教科書の中の「城の崎にて」 : 三省堂発行教科書からの一考察 53
山内 祥史
日野啓三 昭和二十九年の文業(上) 67
長久 里彩
舞城王太郎「好き好き大好き超愛してる。」論 : 女性の死とセカイの効果 79
小谷 裕香
多和田葉子「旅をする裸の眼」論 : 〈作者〉への抗い 93

第50号 (2012年12月25日発行)
地域性と文学

磯貝 英夫
思い出すこと二、三 <巻頭エッセイ> 1
槇林 滉二
地域性と文学 : 鈴木三重吉「千鳥」「山彦」、「小鳥の巣」を中心に 9
有元 伸子
〈地域性〉をめぐる攻防 : 岡田(永代)美知代と田山花袋の描くローカリティ 23
塚本 章子
与謝野寛『鴉と雨』論 : 大逆事件への嘆きと抵抗 35
遠藤 伸治
倉田百三「出家とその弟子」の政治学 : 〈父〉と〈息子〉の物語の時代 47
尾西 康充
小林多喜二と「小樽新聞」 : 河上肇「唯物史観に関する自己清算」とストリンドベリ『結婚生活』 61
秋枝 美保
井伏鱒二における地域文化への着目 : 「在所もの」への道程 73
岩崎 文人
戦時下の原民喜 : それぞれの一二月八日 85
坂根 俊英
原民喜文学管見 : 比較の観点を中心に 95
下岡 友加
一九五一年の台湾表象 : 黄霊芝の日本語小説「輿論」 107
板倉 大貴
武田泰淳「流人島にて」試論 : 死者という観点を中心に 117
九内 悠水子
三島由紀夫『絹と明察』論 : 駒沢とコミュニティの関わりについて 131
山根 繁樹
日野啓三作品における《福山》 : 記憶と重ねられた風景 141
山根 由美恵
村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」論 : 「イグザイル」の視点から 153
大西 永昭
島根から見る : サブカルチャーを通して島根県の地域性へ 165
岩田 英作
おはなしレストランライブラリーの取組 : 読み聞かせ活動を通した地域との交流拠点として (15)
李 建華
不信人間耳尽聾(信ぜず 人間の耳 尽く聾なるを) (1)
溝渕 園子
小山内薫の自由劇場 : 「模倣」と「創作」の間で 205
柳瀬 善治
種の論理・力学的空間・未来への象形文字 : 田辺哲学から横光利一へ 215
楊 琇媚
安岡章太郎文学における〈父と子〉 : 「家族団欒図」「ソウタと犬と」を中心に 227
高木 伸幸
梅崎春生「幻化」論 : 久住五郎の精神世界 241
吉田 敬
荒川洋治 詩集『娼婦論』 : 消滅と再生のことば 253
山下 航正
村上春樹「緑色の獣」論 : その〈語り〉と「読み」をめぐって 261

第49号 (2011年12月25日発行)

尾西 康充
小林多喜二「オルグ」草稿ノート研究:雄松堂書店DVD・ROM版にもとづいて 1
綾目 広治
梅崎春生の笑い:生の肯定へ 17
山内 祥史
日野啓三・昭和二十七年の文業 23
中元 さおり
三島由紀夫「百万円煎餅」論:コピー化していく世界 35
山根 由美恵
滅びに向かうものたち:村上春樹「めくらやなぎと眠る女」と一九八〇年代 47
大西 永昭
髙橋源一郎とゼロ年代の小説:「「悪」と戦う」試論 59
下岡 友加
函館市中央図書館蔵・雑誌『台湾愛国婦人』目録:明治四十五年一月並びに大正三年刊行分 71

第48号 (2010年12月25日発行)

塚本 章子
馬場孤蝶と与謝野寛、大正四年衆議院選挙立候補 : 大逆事件への文壇の抵抗 1
下岡 友加
志賀直哉「范の犯罪」 : 范は本当に勝利したのか? 15
尾西 康充
椎名麟三・赤岩栄・菅円吉 : カール・バルト倫理学講義からの影響 23
山内 祥史
「近代文学」誌上の日野啓三 : 一九五一年まで 35
中元 さおり
三島由紀夫「自動車」論 : モノと身体の交換の行方 47

第47号 (2009年12月25日発行)

塚本 章子
樋口一葉「うらむらさき」・「われから」 : 「カネ」と「モノ」と「女の欲望」 1
瀬崎 圭二
海辺のホモソーシャリティ、あるいはその亀裂について : 夏目漱石「行人」を中心に 15
尾西 康充
戦場の記憶を継承するために : 田村泰次郎「ある死」「肉体の悪魔」 31
山内 祥史
「現代文学」誌上の日野啓三 43
山根 繁樹
二つの『向う側』 : 日野啓三作品の展開 53
九内 悠水子
三島由紀夫「美しい星」論 : 円盤飛来地の意味するもの 63
中元 さおり
戦後〈ユース・サブカルチャーズ〉への一視点 : 三島由紀夫「月」「葡萄パン」論 75
吉田 敬
荒川洋治「空中の茱萸」論 : 歴史を語る文体 85

第46号 (2008年12月25日発行)

尾西 康充
〈内国植民地〉としての北海道 : 有島武郎と小林多喜二 1
吉田 敬
芥川龍之介「藪の中」論 : 一人語りの虚構 13
教誓 悠人
横光利一「或る長篇」「上海」研究 : 改稿過程及び構成について 23
島田 隆輔
《文語詩稿》定稿化の方法(プロセス)・試論 : 北村透谷「宇宙の精神」と、宮沢賢治「宇宙感情」と 37
中元 さおり
三島由紀夫「禁色」における〈もう一つの物語〉 : 女たちの交錯の様相 51
大西 永昭
高橋源一郎と連合赤軍事件 : 「ジョン・レノン対火星人」試論 61
山内 祥史
<郷土作家資料紹介> 日野啓三創作総覧稿 75

第45号 (2007年12月25日発行)

山根 由美恵
鈴木三重吉宛書簡からみる「倫敦塔」 : 「単に美といふ丈では満足出来ない」 1
レオン・ユット・モイ
『虞美人草』とメレディスの『エゴイスト』 : 「作者」の顕在化について 15
高嵜 啓一
芥川龍之介における「語り」についての一考察 : その散文観から 27
教誓 悠人
横光利一「機械」における〈四人称〉の問題 : 「語り」の方法として 41
大西 永昭
欠落する身体の言語空間 : 室生犀星「蜜のあはれ」試論 55
中元 さおり
三島由紀夫「朝の純愛」論 : 過去と現在の位相を探る 71
中山 幸枝
村上春樹「踊る小人」論 : 近年の作品につながる社会的モチーフ・暴力・自己の問題 83
山内 祥史
<郷土作家資料紹介> 「向陵時報」紙上の日野啓三 95

第 44号 (2006年12月25日発行)

王 梅
田山花袋「蒲団」試論 : 語りの構造を手がかりに 1
レオン・ユット・モイ
「坊つちやん」とスティーブンソン「ファレサアの浜」 : 「調子を学んだ」ことをめぐって 13
下岡 友加
志賀直哉「佐々木の場合」 : 漱石への献辞の意味 27
高間 文香
谷崎潤一郎「細雪」論 : 目的としての〈語り〉 37
尾西 康充
島木健作『再建』論 : 宮井進一と梅川文男の視点から 49
中元 さおり
三島由紀夫「英霊の声」論 : 「悪臣の歌」からみる語りの〈移行〉と〈重層化〉 65
山根 由美恵
封印されたテクスト : 村上春樹「街と、その不確かな壁」にみる物語観 75
中山 幸枝
村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」論 : 「あちら側」と「こちら側」の狭間に位置する青年 87
大西 永昭
非・所有の恋愛論 : 所有から同一化へ向けて - 金原ひとみ「蛇にピアス」 99
吉田 敬
荒川洋治「宝石の写真」論 : 秩父事件首魁の写真 111

第43号 (2005年12月25日発行)</h2>

王 梅

『重右衛門の最後』試論 : 語り手「自分」を中心に 1

山下 航正

〈写生文と小説〉の狭間で : 虚子「俳諧師」「続俳諧師」を中心に 13

二宮 智之

梶井基次郎「泥濘」論 : 成立過程と草稿からの再考 33

山根 由美恵

村上春樹「午後の最後の芝生」 : 「臨界域」としての想起/流通する「小説」 49

吉田 敬

荒川洋治「冬の紅葉」論 61

第42号 (2004年12月25日発行)

尾西 康充

北村透谷と斎藤緑雨 : 緑雨没後一〇〇年を迎えて 1

塚本 章子

日清戦争後の緑雨 : 国家主義化への抵抗 13

楊 琇媚

兄弟の共存共生と妻殺し : 武者小路実篤『愛慾』における家父長的価値観 27

孫 樹林

中島敦「かめれおん日記」論 : 〈一身両口〉現象および道家思想の投影 39

徐 洪

「燃えつきた地図」における反復表現 49

綾目 広治

松本清張『砂の器』 : 日本近代の欲望と犯罪 59

有元 伸子

三島由紀夫『朱雀家の滅亡』論 : 神と男女の関係劇 75

山根 由美恵

村上春樹「ニューヨーク炭鉱の悲劇」における〈切断〉という方法 : ビージーズの影響・改稿の様相から 87

二宮 智之

川上弘美「惜夜記あたらよき」論 : コミュニケーションと自己像 107

第41号 (2003年12月25日発行)

二宮 智之

漱石と三重吉の《文鳥》 : 響きあうテクスト 1

亀井 千明

〈戦略〉となった自作解説 : 志賀直哉「創作余談」「続創作余談」「続々創作余談」 19

孫 樹林

中島敦「弟子」論 : 「義」「仁」「中庸」を中心に 29

九内 悠水子

三島由紀夫「仮面の告白」論 : 作家による告白、その二重構図 41

山根 繁樹

池沢夏樹『マシアス・ギリの失脚』論 : 名前の物語の行方 55

山根 由美恵

村上春樹「貧乏な叔母さんの話」における改稿の様相 : 書くという行為エクリチュールと〈救い〉 67

第40号 (2002年12月25日発行)
文学史の新視角(二)

二宮 智之

廣津柳浪「黒蜥蝪」試論 : 《家》の制度性をめぐって 1

楊 琇媚

芸術への執着と妹の献身 : 武者小路実篤『その妹』におけるジェンダー意識 13

山下 航正

「道草」論 : 語り手の造形をめぐって 25

相川 直之

芥川龍之介「手巾」論 : 新渡戸稲造の影響 35

亀井 千明

志賀直哉「城の崎にて」試論 : 〈私小説〉〈心境小説〉神話の実態について 49

阮 文雅

中村地平「土竜どんもぽっくり」論 : 「故郷」回帰と「南方的文学」の創出 61

孫 樹林

「李陵」論 : 公徳と私情との狭間 70

鄭 宝賢

井伏鱒二「遥拝隊長」論 : 二人の帰還者 80

高木 伸幸

井伏鱒二における中間小説 : 「お島の存念書」試論 89

九内 悠水子

三島由紀夫「幸福号出帆」論 : エンターティメント小説にみる手法 98

山根 繁樹

日野啓三『砂丘が動くように』論 : 一九八〇年代文学の考察に向けて 109

山根 由美恵

村上春樹「ノルウェイの森」論 : 「緑」への手記 120

塚本 章子

斎藤緑雨の「恋」と「闇」 : 恋愛神聖論から道徳回帰への時代の中で 131

尾西 康充

島木健作と堀坂山行 : 朝倉菊雄と梅川文男における転向/非転向 144

柳瀬 善治

戦前期における〈回教〉をめぐる言説・研究序説 : 同時代の「文学者」との接点を軸に 156

丸川 浩

戦時下の大衆文学者 : 村上元三の場合 168

村瀬 良子

大江健三郎と武満徹の水脈 : 音としての言葉・言葉としての音 182

遠藤 伸治

夢枕獏試論 : 消費される過剰な欲望 191

坂根 俊英

近代文学の「源氏物語」受容史 : 研究史概観を中心に 203

槙林 滉二

もう一つの透谷 : その可能性と限界 213

岩崎 文人

与謝野晶子短歌の裾野 : 『冬柏』『明星』同人三宅雪枝のこと 222

第39号 (2001年12月25日発行)

山下 航正

「彼岸過迄」論 : 〈導入〉としての高等遊民 1

九内 悠水子

森鴎外「魚玄機」試論 13

相川 直之

伸吟する「Journalist」・芥川龍之介「上海游記」序説 21

藤村 猛

中島敦「プウルの傍で」論 35

鄭 宝賢

「漂民宇三郎」論開かれた宇三郎 : 閉ざされた共同体 47

村上 林造

<資料>山田多賀市著作目録 61

第38号 (2000年12月25日発行)

屋木 瑞穂

樋口一葉「闇桜」の位相 : 〈筒井筒〉変奏 1

相川 直之

「美」の言説における夏目漱石「草枕」の位相 : 子規・透谷の影響 13

山下 航正

「夢十夜」論 : 底流としての写生文 27

藤村 猛

中島敦「妖氛録」論 39

山根 由美恵

村上春樹「1973年のピンボール」論 : 朧化された三角関係 47

第37号 (1999年12月25日発行)

塚本 章子

樋口一葉「暗夜」論 : 交錯する「闇」の諸相 1

山下 航正

漱石の写生文と同時代 : 虚子と自然主義、その様相 13

下岡 友加

志賀直哉「和解」論 : 劇的な〈和解〉を生成するもの 31

相川 直之

芥川龍之介・正続「西方の人」論 : 「クリスト」の造形 41

山根 由美恵

村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」論 : 二つの地図の示すもの 53

第36号 (1998年12月25日発行)

塚本 章子

樋口一葉「十三夜」試考 : 坪内逍遙「妹と背かゞみ」への抗い 1

山下 航正

「回想」と「写生文」 : 後期漱石文学試論 15

柏原 陽子

七つの〈赤い船〉 : 未明童話を鳥瞰する素材として 27

松田 浩明

開高健「パニック」論 : 〈大衆〉のエネルギー 41

村瀬 良子

「万延元年のフットボール」論 : 〈本当の事〉をめぐって 51

第35号 (1997年12月25日発行)

屋木 瑞穂

『女学雑誌』を視座とした明治二二年の文学論争 : 女子教育界のモラル腐敗をめぐる同時代言説との交錯 1

塚本 章子

一葉「うもれ木」における〈芸〉の歴史的位相 : 露伴「風流仏」・鴎外訳「埋木」との比較を通して 13

遠藤 伸治 ・ 有元 伸子

樋口一葉『にごりえ』における性の二重規範ダブル・スタンダード 25

柳瀬 善治

衛生・身体・首都 : 『一国の首都』を中心に 39

藤村 猛

梶井基次郎「交尾」論 55

第34号 (1996年12月25日発行)

村上 林造

長塚節の写生文 : 「我が庭」から「佐渡が島」まで 1

松井 忍

漱石初期作品におけるマドンナ : 『坊つちやん』から『三四郎』『草枕』へ 16

下岡 友加

志賀直哉「暗夜行路」論 : 二つの「女の過失」設定に関する一考察 30

藤村 猛

谷崎潤一郎「春琴抄」論 : その光と影のダイナミズム 40

高木 伸幸

井上靖「闘牛」論 : 材料の意匠化と悲哀 50

柳瀬 善治

『絹と明察』・『月澹荘綺譚』・『天人五衰』 : 認識を超えるものの表象について 66

第33号(1995年12月25日発行)

塚本 章子

樋口一葉『たけくらべ』論 : 哀しみの共鳴 1

藤村 猛

「卍」試論 :園子と光子の恋愛の物語 14

吉川 将弘

「桜の樹の下には」論 : 物語体小説という試み 25

高木 伸幸

井上靖初期散文詩論 : 「猟銃」の原点・“昇華”と“浄化” 37

村瀬 良子

大江健三郎の出発点 : 『奇妙な仕事』の《監禁》状態 52

第32号(1994年12月25日発行)

尾西 康充

北村透谷における「悲劇」の可能性 : 『他界に対する観念』について 1

村上 林造

虚子における「超俗世界」の発見 : 「二里の山路」から「斑鳩物語」まで 10

藤村 猛

「羅生門」試論(上) : 谷崎潤一郎「刺青」に注目して 21

木村 東吉

魂の修学旅行 : 《春と修羅 第二集》修学旅行詩群考 31

田中 裕之

安部公房『けものたちは故郷をめざす』考 43

第31号 (1993年12月25日発行)

村上 林造

高浜虚子初期写生文の展開 : 「浅草寺のくさ摩麻」から「北清島町」まで 1

川崎 和啓

太宰治・「陰火」論 14

前田 貞昭

「『槌ツァ』と『九郎治ツァン』は喧嘩して私は用語について煩悶すること」論 28

山根 繁樹

日野啓三『向う側』論―言葉の外部へ向かう試み 39

遠藤 伸治

村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」論 : 「いるかホテル」を探して 51

第30号 (1992年12月25日発行)
文学史の新視角

岩崎 文人

「源叔父」成立考 : 〈老翁〉の物語 1

木村 東吉

『春と修羅』第二集『命令』とその背景 14

秋枝 美保

宮沢賢治「貝の火」における父子の葛藤 : 歪んだ報恩譚の意味 26

丸川 浩

明治開化 安吾捕物帖』の世界 : 民俗学との関連を中心にして  44

向窪 督

『日本近代文学の起源』の視角について(一) : 第一次、第二次「漱石試論」との相関 56

綾目 広治

柄谷行人『探究』論 66

槙林 滉二

透谷論理の道程 : 近代開示の一視角として 75

有元 伸子

『新生』と『仮面の告白』 : 藤村と三島にみる「宿命」と「告白」のあわい 85

前田 貞昭

井伏鱒二における文学的自己定位 : 文学青年・「私」・プロレタリア文学 100

寺横 武夫

人生足別離 111

遠藤 伸治

村上春樹・その方法と位置 : 失われたものを発掘し、捉え直そうとする意味作用の剰余 124

相原 和邦

近代文学におけるしぐさの視座 135

第29号 (1991年12月25日発行)

田中 裕之

『うたかたの記』論 : 「ロオレライ」の図の完成・未完成をめぐって 1

川崎 和啓

師弟の訣れ : 太宰治の井伏鱒二悪人説 14

桂 文子

遠藤周作『青い小さな葡萄』論 : 〈書く〉ことの意味をめぐって 27

山根 繁樹

「還れぬ旅」論 : 存在証明を超えようとする自己 39

岩田 英作

大江文学における共同体と犠牲 : 『芽むしり仔撃ち』から『「芽むしり仔撃ち」裁判』へ 50

遠藤 伸治

村上春樹「ノルウェイの森」論 59

第28号(1990年12月25日発行)

谷 彰

石川淳『佳人』論―文体の獲得 : 文体への宣戦布告 1

川崎 和啓

理想主義への憧れと挫折 : 前期太宰治の文学 14

田中 裕之

『S・カルマ氏の犯罪』論 : 作家誕生の物語 30

岩田 英作

『万延元年のフットボール』論 : 鷹四への回答として 44

山根 繁樹

日野啓三「此岸の家」から「彼岸の墓」への展開 : 存在基盤喪失者の捉える世界 55

遠藤 伸治

村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」論 : 〈世界〉の再編のために 67

第27号 (1989年12月25日発行)

藤本 千鶴子

鴎外における共同体と個 : 歴史小説集『意地』三部作の構造 1

田中 裕之

安部公房『赤い繭』論 : その意味と位置 15

有元 伸子

『金閣寺』の一人称告白体 28

岩田 英作

『芽むしり仔撃ち』論 : 「僕」像の修正をめざして 42

遠藤 伸治

村上春樹試論 : 主体性のサバイバル 53

第26号 (1988年12月25日発行)

橋本 威

『たけくらべ』題名考 : 『たけくらべ』研究稿・第二章 1

谷 彰

梶井基次郎『冬の蝿』論 : その作品構造について 13

岩田 英作

『個人的な体験』論 : 多元的宇宙の創出 26

清原 万里

「わが子キリスト」論 40

遠藤 伸治

「武田泰淳・三島由紀夫・開高健における『行為』と『認識』の問題」 54

第25号(1987年12月25日発行)

山本 裕一

「ふるさとびと」の「静かな充実した生」についての考察 : 後期堀文学における女主人公の系譜 1

田口 律男

谷崎潤一郎「痴人の愛」を読む : 一九二○年代・都市・文学(一) 16

清原 万里

「蝮のすえ」論 : 「罪」の問題をめぐって 28

有元 伸子

三島由紀夫『豊饒の海』論 : 「客観性の病気」のゆくえ 40

遠藤 伸治

開高健試論 : 行為、認識、感覚、外界と内界をつなぐもの 54

第24号(1986年12月25日発行)

橋本 威

一葉『闇桜』論のために : 主に〈桃水の添削〉問題 1

谷 彰

梶井基次郎「ある心の風景」論 : 光と影のせめぎ合い 14

田口 律男

横光利一「機械」論 : ある都市流入者の末路 26

清原 万里

「司馬遷」論 : 〈史記的世界〉の構造 39

有元 伸子

『仮面の告白』試論 : ある、厭世詩家と女性 49

遠藤 伸治

三島由紀夫と安岡章太郎 : 不在の実体に対する欲望と逃走 63

第23号 (1985年12月25日発行)

田口 律男

横光利一「上海」論の試み(一) : 娼婦〈お杉〉の意味 1

遠藤 伸治

「機械」論考 13

藤村 猛

「名人伝」小考 : その意味するもの 25

清原 万里

「ひかりごけ」論 36

有元 伸子

三島由紀夫「卒塔婆小町」論 : 詩劇の試み 49

第22号(1984年12月25日発行)

橋本 威

一葉『この子』覚え書き 1

田口 律男

横光利一「街の底」論 : 新感覚派文学の内実と意味 13

遠藤 伸治

「鬼涙村」論 26

丸川 浩

「思想と実生活」論争 : 小林秀雄敗北の意味 38

前田 貞昭

二つの「多甚古村」 : 日中全面戦争下の井伏鱒二 49

第21号(1983年12月1日発行)

槙林 滉二

徳富蘇峰初期と漢学 : 発想の一基底について 1

岩崎 文人

「非凡なる凡人」論 : 独歩精神革命のゆくえ 9

相原 和邦

『坑夫』論 17

赤井 恵子

「門」論序説 24

遠藤 伸治

「刺青」論 32

藤本 千鶴子

「最後の一句」の意図 : 大逆事件との関連 40

近藤 晋平

第二次『明星』以後における与謝野寛・晶子の断想 : 新発見の書簡を中心として 48

向窪 督

芥川龍之介の“私”と運命 58

横山 信幸

宮沢賢治「饑餓陣営」考 73

綾目 広治

「様々なる意匠」と三木清 78

坂根 俊英

中野重治論ノート : 『中野重治詩集』について 86

江後 寛士

横光利一「上海」改稿の意味 95

塩崎 文雄

『禽獣』私注 : あるいは、「もう」の修辞学について 102

藤村 猛

『山月記』小考 : その問題点と構造及び位置 112

第20号 (1983年6月1日発行)
井伏鱒二特集(二)

磯貝 英夫

井伏文学の総集成 : 井伏鱒二の近業をめぐって 3

江後 寛士

井伏文学における自己回復の道 10

岩崎 文人

井伏鱒二の随筆 17

坂根 俊英

井伏鱒二論 : その初期 24

塩崎 文雄

井伏文学の方法・序説 : 「言葉について」の話法構造とメタ言語の濫用と 30

宇野 憲治

「青ケ島大概記」論 : 事実と虚構、虚構部分にみられる井伏文学の特質について 41

横山 信幸

「さざなみ軍記」論 51

木村 東吉

『さざなみ軍記』文体考 : その写実性と人間愛 58

アンソニー V. リーマン

井伏の歴史ものの翻訳について 67

秋枝 美保

井伏作品における社会と個の問題 : 昭和十年から十五年の作品を中心に 74

伊藤 眞一郎

『ジョン万次郎漂流記』の主典拠 82

前田 貞昭

井伏鱒二・その戦時下抵抗のかたち : 「花の町」を軸にして 91

相原 和邦

井伏鱒二の戦後 : その視点構造と情念 99

藤本 千鶴子

井伏鱒二・戦後の歴史小説の警鐘(一) : 松川事件との関係にふれて 107

赤井 恵子

井伏文学における旅 : 昭和三十年代後半の作品を中心に 112

田辺 健二

「武州鉢形城」から「黒い雨」へ 119

寺横 武夫

「黒い雨」略注 125

槙林 滉二

最近の井伏鱒二 : 放下と固執について 134


井伏鱒二著作年表(大正一二年~昭和五五年)  141

寺横 武夫

井伏鱒二参考文献年表稿 158

第19号(1980年11月30日発行)

山田 謙次

「秘宮」成立試論 : 儒教における「独」の観念との関連について 1

赤井 恵子

「草枕」小考 9

橋本 威

『こころ』覚書 : 「先生」は何故自殺したか 17

越智 良二

「鼻」の歪み 25

秋枝 美保

「鳥をとるやなぎ」論 32

第18号 (1979年11月30日発行)

山田 謙次

透谷における「風狂」の意識(上) 1

岩崎 文人

「運命論者」論 : 独歩の〈運命観〉の形成を通して 7

赤井 恵子

藤尾の形象 : 「虞美人草」における初期短篇の投影 13

坂根 俊英

萩原朔太郎論 : 啄木の影響と社会性 20

秋枝 美保

「さいかち淵」論 29

江後 寛士

「上海」論序説 39

前田 貞昭

「仮面の告白」私見 : 三種類の「前提」の意図するところをめぐって 45

第17号 (1978年11月30日発行)

寺横 武夫

二葉亭四迷と「冷雲社」 1

松本 洋二

『こゝろ』の奥さんと御嬢さん 11

伊藤 眞一郎

宮沢賢治における表現行為の意味 : 〈手紙四〉から「心象スケッチ」集へ 20

越智 良二

西脇順三郎「ギリシア的抒情詩」小考 29

前田 貞昭

「金閣寺」論 36

横山 信幸

未明否定論争と近代児童文学観 45

第16号 (1977年11月30日発行)

山田 謙次

北村透谷における陽明学 1

宇野 憲治

藤村三つの劇詩の位置 : 内面の問題との関連において 10

相原 和邦

「夢十夜」の世界 17

木村 東吉

『黴』と『道草』 : そのリアリズムの特質と自意識の様相 23

田辺 健二

有島武郎の内部生命観 : その時間意識との係わり 33

田中 滋啓

『ambaralia』論のために : 「天気」の解釈を通じて 41

第15号 (1976年11月20日発行)

相原 和邦

「夢十夜」論の構想 1

木村 東吉

『黴』の研究 : 客観的認識の内部構造について 7

越智 良二

中島敦論のこころみ(二) : 表現者の系譜を廻って 16

塩崎 文雄

戦時下の石川淳 : 『渡辺華山』における負の情念 26

坂根 俊英

「むらぎも」論ノート 44

第14号 (1975年10月20日発行)

槙林 滉二

北村透谷における発想法の一景 1

藤本 千鶴子

鴎外「阿部一族」の発想 : 作品と実体験 10

伊藤 眞一郎

宮沢賢治の小説的作品について 19

塩崎 文雄

「普賢」論のために 29

橋本 威

続・「破戒」の文章 42

第13号 (1974年10月20日発行)

岩崎 文人

「源おぢ」論 1

山根 巴

左千夫の人麿論 13

坂根 俊英

朔太郎書簡にみる精神生活 : 大正四・五年の沈黙と新生 27

越智 良二

中島敦論のこころみ(一) : ひとつの心象風景を廻って 36

横山 信幸

新美南吉論 49

第12号 (1974年2月20日発行)

槙林 滉二

北村透谷における発想の限界 : 儒学共同体の光芒 1

伊藤 真一郎

宮沢賢治「家長制度」 : その幻想的発想をめぐって 19

橋本 威

「新感覚」的文章 : 横光利一「頭ならびに腹」について 31

位藤 邦生

「豊饒の海」論 44

木村 東吉

深沢七郎論 : 「楢山節考」の夢の崩壊過程について 54

第11号 (1973年6月10日発行)

佐野 金之助

「行人」論 : 「漱石的」なものとはなにか 1

塚本 なな

「新生」における虚実 12

越智 良二

「羅生門」とその周辺 26

寺西 朋子

太宰治「新釈諸国噺」出典考 35

横山 信幸

島尾敏雄「死の棘」と戦争 49

磯貝 英夫

佐野金之助氏追悼 61

第10号 (1972年9月30日発行)
特集 井伏鱒二研究

磯貝 英夫

井伏鱒二の位置 1

藤本 千鶴子

井伏鱒二の会話部方言表現技法 : 「朽助のゐる谷間」の場合 6

岩崎 文人

井伏鱒二とその郷土 11

槙林 滉二

初期の井伏鱒二 : 「岬の風景」を中心にして 15

横山 信幸

井伏鱒二と常民 : 「朽助のゐる谷間」「川」を中心に 22

田辺 健二

『多甚古村』論 29

相原 和邦

『遥拝隊長』の構造と位置 34

江後 寛士

「漂民宇三郎」論 : 庶民文学の方法について 41

寺横 武夫

「黒い雨」管見 46

藤高 征子

サバルワルさん : ニューデリー便り 56


井伏鱒二著作年表(昭和二一年~四〇年) 60

第9号(1971年8月15日発行)

岩崎 文人

独歩における「小民」 : とくに「驚異哲学」を軸として 1

宮野 光男

有島武郎研究 : 『三部曲』のうち未定稿および定稿『サムソンとデリラ』『〔大〕洪水の前』と『或る女のグリンプス』との関係を中心に 12

田辺 健二

『迷路』の位置 25

藤本 正文

川端康成研究 : 『伊豆の踊子』から『禽獣』まで 36

相原 和邦

三島由紀夫の死 51

第8号(1970年8月15日発行)

釘宮 久男

漱石と旧約世界との触れ合い : 『三四郎』を中心に 1

橋本 威

啄木と自然主義・社会主義 9

矢利 和子

『得能』物と『鳴海仙吉』 : そのメカニズムと主人公 20

槙林 滉二

中島敦の世界 32

木村 東吉

明治小説における表現形態についての一考察 : 会話文表現に接続する地の文の接続形態と作品の抒情的性格について 44

第7号(1969年9月15日発行)

相原 和邦

漱石文学における思惟構造(一) : 『三四郎』『それから』の絶対語を通して 1

佐野 金之助

『三四郎』論 13

山根 巴

人間茂吉の魅力 23

広藤 玲子

「地獄変」について : 芥川龍之介論II 30

塩崎 文雄

『濹東綺譚』論(一) 38

第6号 (1968年12月15日発行)

橋本 威

『浮雲』論序説 1

寺横 武夫

〈冷々亭杏雨〉から〈四明〉まで : 一つの二葉亭四迷論 14

佐野 金之助

夏目漱石(二) : 「余裕」の意味するもの 28

槙林 滉二

梅崎春生の世界 : 『桜島』試論 38

山内 祥史

太宰治「作家生活に対する構へ、覚悟。」・ほか : 太宰治と保田与重郎をめぐって 49

第5号(1968年6月30日発行)

宮野 光男

有島武郎研究 :教会退会後の自然感をめぐって(二) 1

山下 嘉男

蔵原惟人の創作方法論 : その理論の付着的増殖性 11

藤本 千鶴子

意地について : 阿部弥一右衛門のばあい 21

永尾 章曹

「暗夜行路」における段落の構成について : 文章の音声学的研究 31

小田 迪夫

芥川龍之介の表現法 : 同形反復表現形式について 41

第4号 (1967年12月25日発行)
特集 夏目漱石研究

佐野 金之助

夏目漱石 1

釘宮 久男

『明暗』試論 : 『明暗』と則天去私 10

相原 和邦

『道草』と『家』 21

槙林 滉二

内部生命論の流れ : 北村透谷を中心にして 33

磯貝 英夫

<郷土作家資料紹介> 倉田百三「都の友に」ほか 46

第3号 (1967年6月25日発行)

三宅 義信

国木田独歩の自然描写 1

宮野 光男

有島武郎研究 :教会退会後の自然観をめぐつて(一) 13

江後 寛士

横光利一「機械」試論 : 心理のゲーム性について 23

横山 信幸

伊藤整『小説の方法』について 34

西原 茂

木下夕爾 : その人と作品 48

第2号 (1966年12月25日発行)

小田 迪夫

森鴎外「山椒大夫」の文体について : 現在形止めセンテンスの考察 1

永尾 章曹

川端康成「青い海黒い海」の文体について 10

向窪 督

順接作家論の虚構性 : 森川達也「島尾敏雄論」を一例に 22

塩崎 文雄

梶井基次郎管見 35

寺横 武夫

二葉亭における現実認識の構造(上) : いわゆる「実感」の論理について 46

創刊号 (1966年5月1日発行)

橋本 威

「蒲團」論序説 1

相原 和邦

漱石文学における表現方法(四) : 第三期の視点構造を中心として 12

槙林 滉二

初期の広津和郎 : センチメンタリズムの排斥 25

坂根 俊英

西脇順三郎ノート : 「アムバルワリア」から「旅人かえらず」へ 36

江後 寛士

井伏鱒二の世界 45

浜本 純逸

坂口安吾研究(二) : 第二次大戦期の作品 57

磯貝 英夫

文学の自律性について 66